アプローチはゆったりとしたロータリーと大きな庇を持つ車寄せで、天候に左右されない送迎を可能とした。
玄関ホールは将来増設予定のエレベーター昇降口前のホールを臨む。天井のセンタリングや床のシートパターンで求心性を強調した。
食堂・機能回復訓練室は両側に居室を配したセミパブリックゾーンを設け、右側の車椅子対応洗面コーナーも介助し易い広さや機能性に配慮した。また、別の機能回復訓練室は機能重視で自由闊達なキッチンのレイアウトや居室入口の化粧格子もデザインを変え単調になりがちな大規模施設に変化をもたらした。
2階の食堂・機能訓練室は、キッチン越しにユニットのセミパブリックゾーンを臨む。
低コストに配慮を忘れることなく天井の意匠性が空間に変化をもたらし、入所者の日常を豊かに演出する。
居室は4タイプをデザイン。心和む木質感でコーディネイトし病室イメージを払拭した3人用の洋室居室。洋室と言えども天井は和天、壁にも付鴨居、隅付柱を施し和風のデザインにこだわったおだやかな個室。また、和洋折衷で構成し、左側の壁面には実験的に桧の板貼りを施した居室も用意した。
女子便所は、リズミカルなタイルパターンが楽しい便所とし、利用者の快適性と介護するスタッフの動きやすい配慮を忘れない。