廿日市の木材港の一角に立地する大型車の整備工場と小型自動車の販売店。
それぞれの用途・特性・敷地条件に合わせた建物デザインが周辺環境を活性化する。
大型車棟は単調な自動車整備工場のイメージを払拭すべく、その波型のスレートの外壁をマットブラックで庇をビビットなオレンジというカラーリングにより、高い技術の整備力を印象づけるデザインとした。
屋上の風力発電用プロペラも話題性を呼んでいる。
整備工場はハードでメカニカルな印象の中にも壁面の一部に比較的ビビットなピンクを用い、仕事に従事する技術スタッフの心理的なサポートに配慮した。
シンプルでシャープなフェイスで来店客を迎える小型車棟。暖色のインターロッキングブロックをアプローチに用いアクセントとした。
2階社長室は、無垢のチーク材を壁面に張り上げ重厚な仕上とした。円形の折り上げ天井からの間接光と床のカーペットタイルの色調が格調高い空間を演出する。
来客待合室は、比較的ローコストな設計条件の中から生まれたショールーム兼接客空間。コンクリート打ち放し風のクロスとゆるやかなアールを描く木質のパーテーションが鮮やかなコントラストを生み、床のカーペットタイルのパターン貼と相まってカジュアルな営業空間造りに成功した。